「良いノート」って何だろう?(弐)

2012-05-08

では、さっそくお題を一つ。

タイトルの通り、「良いノートって何だろう?」「どんなノートが良いのだろう?」

今日は、数学(算数)の計算問題(の途中式)という小中高生には大変身近なノートについて
考えてみたいと思います。

まずは数学の計算問題の途中式から。

前回(序)でお話した通りノートには思考を促す(書くことで考えをまとめる)効果があります。
ですから、よく耳にする

「先生、途中式書かなくていい?」

という発言は、

「先生、考えないで(勘でやって)いい?」

と同じようなことを言っていることになりますね。

というわけで、暗算ですぐに答えが分かるものや九九のレベルの計算は除き、
なるべく途中式は書いた方がきちんと答えを導き出せるように、考えを進める手助けとなります。

では、その途中式はどのように書いていくと良いでしょうか?

皆さんもこれまでの自分の数学(算数)のノートを思い浮かべながら考えてみて下さい。

と、具体的なノートがないとなかなかイメージがわきませんので、まずは下の写真を見て下さい。

さて、【A】と【B】ではどちらが「良い」ノートでしょうか?

【A】

【B】

皆さんの普段のノートはどちらに近いですか?

どちらも比較的きれいにノートを使えている印象ですが、両者は決定的に違いますね。
まず【A】の方にあって【B】にない物・・・

①使用している教材の名前/ページ数の情報
これは学習している最中は自分が何を使っているのかは当然わかりますが、
2~3日して、あるいは1週間経って、見直した時に「どの教材」の「どの部分」を
学習したのかが分からなければ、復習が出来ません。
教材名やページ数が書いてないノートの作成者は、1度やった問題は「もうこれで終わり」
という意識が強いのかもしれませんね。
学習の基本は「反復」です。
繰り返し何度も何度も「同じ」問題を繰り返すことがまず必要なことです。

②学習した日付
①で学習の基本は「反復」だとお話しました。
しかし、同じ問題を1日のうちに何度もやったり、毎日のように繰り替えても、
学習する内容が少なければ良いかもしれませんが、様々な学習をする必要がある場合、
一つの問題に多くの時間は割いていられません。
また、人間は「忘れる」生き物ですが、その「忘れ方」にはある程度の規則性があります。
(※記憶に関してはまた別の機会に詳しく考えましょう)
ということは、一度やった問題が一体いつやったもので、次にいつ頃やればよいか、
学習の計画を立てるためにも「いつ」学習したのかを書いておくことはとても大切なことです。

③「=」の位置(途中式の書き方)
【A】の方は「=」の位置が問題(与式)の左端の下または左端から1文字分左部分にあり
途中式が何行になっても「=」の位置がすべて同じ位置にあります。
【B】の方は問題(与式)の右端に「=」があり右に右に式が続いています。
ここで大切なのが「途中式」の役割です。
先ほどお話ししたように、「途中式」は思考の途中(プロセス)を書いているものなので、
「何が」「どのように」変化しているかが分かるものが「途中式」です。
今回の問題(与式)は文字式の学習が済んでいる人にとっては比較的容易な問題ですので、
あまり大きな違いを感じないかもしれませんが、もっと複雑な計算式の場合、
【B】のようなスタイルで式を書いていっても、「何が」「どのように」変化しているかが
すぐに分からない可能性があります。
【A】のスタイルですと、「=」の位置がそろっているので、上の式と見比べるのが簡単です。
つまり、すぐに「何が」「どのように」変化しているかが分かります。
検算(見直し)をする際にも非常に確かめやすくなります。

【A】

【B】

また、この「途中式」についてはこの文字式の「計算問題」と「方程式」を比べておくとより理解が深まるでしょう。

というわけでもう一題。

【C】と【D】ではどちらが「良い」ノートでしょうか?

【C】

【D】

皆さんはもうお分かりだと思いますが、これまでの話からすれば、【C】の方が利点が大きい書き方ですね。

なぜでしょうか?

もちろん「=」の位置ですよね。

【C】は「=」の位置がどの式も変わらず、同じ位置にあります。
一方【D】の方は、式の左端が同じ位置となっていますが、「=」の位置はバラバラです。

【C】

【D】

ここで先ほどの文字式の「計算問題」と「方程式」の違いに触れておきましょう。

皆さんこれま「計算問題」の問題文を読んだこと、ありますよね?
普段きちんと読んでいない人、あまり意識していなかったという人は、これを機に一度しっかりと読んでみて下さい。
たいていはこんなふうに書かれています。

「次の計算をしなさい」

では、「方程式」はどんな問題文でしょうか?
たいていはこんなふうに書かれています。

「次の方程式を解きなさい」

両者の違いは問題文にも表れていますね。

他にも両者の違いはありますが、決定的に違うのは、やはり「=」。
今回の話では「=」がキーワードのようです。

「計算問題」は、問題(与式)に「=」がない。
一方「方程式」には、問題(与式)にあらかじめ「=」がある。

大まかに両者の違いを2点あげました。
この2点のポイントをまとめるとこんなふうに言えるのではないでしょうか。

「計算問題」は「=」で式をつないで与式を出来る限り簡単な形に「まとめ直す」もの。
「方程式」はX(または任意の文字)が何かを求める(「X=〇」という形に整理する)もの。

上の途中式の形を見ればよく分かると思いますが、
文字式の途中式では、左端に「=」がそろっていて、式が下に行けば行くほど、コンパクトにまとめられています。
一方、方程式の方では、途中式の「=」は与式の「=」の位置にそろっていて、
左辺(「=」の左側)は「X」以外のものが消えていき、最終的に「X=〇」の形に整理されています。

こんなふうな視点で見てみると、一口に「計算問題」とくくってしまう
文字式の計算と方程式では、随分と違うものだとわかります。

ただし、途中式についてはどちらの問題であっても、
考えのプロセスが「分かりやすく」=「確かめやすく」している方が利点が多い
ということは要チェックですね。

今回はこれにて終了。
ちょっと長くなってしまいましたね。

たかが途中式、されど途中式。
面倒くさがらず、自分の考えのプロセスをきっちり残していきましょう。

「良いノート」って何だろう?(序)
「良いノート」って何だろう?(参)
 

 

◆TOPページに戻る◆

 

 


                 
Copyright(c) 2012 Learning-Labo by STcommunity All Rights Reserved. Designed by o2BusinessTheme