2014年センター試験国語(問1:評論文読解)

2014-01-22


さてさて、センター試験いかがでしたか?

あまり時間が無くて全部目を通せていないのですが、

専門にしている国語は問1だけ、解いてみました。

問題云々よりも、使われている文章に考えさせられましたね。

問題本文は、日本の近世社会における漢籍の普及に関する文章でした。

日本ではかなり以前から漢字を文字として使用してきましたが、

もちろん文字だけでなく、その文字で書かれた文章が大陸より入ってきています。

つまり、そこに記された大陸の思想が入ってきているわけです。

本文でも触れられていることですが、江戸時代の日本で時の権力者が幕藩体制の維持のために、キリスト教と排し、儒教(儒学)を重用されてきたことは広く知られています。

その漢文の知識は、それが官吏任用の試験などとしてシステム化されることで、それは権威となるわけですね。

問題(問3:傍線B部分)にもなっていましたが、まさに、

『人がことばを得、ことばが人を得て、その世界は拡大します』

ということですね。

この問題、②が正解ですね。
(解答は確認していないのでご自分でお願いします)

つまり、

『中国古典文の素養が士大夫にとって不可欠になると、リテラシーの獲得に対する人々の意欲が高まるとともに、中国古典文が書きことばの規範となり、やがてその規範に基づく科挙制度を通して統治システムが行き渡っていった』(選択肢の文)

中国の科挙についての説明でありますが、これはまさしく日本の「学歴社会」「学歴主義」を語っていると言ってもよいでしょう。

テストが出来ることが一つの求められる学力(リテラシー)とされ、それが一般的になると、そのテストがリテラシーの規範となる。

つまり、学習の結果としてテストが出来るというよりは、テストが出来るようになることが学習の目的となる。

何となくどっちでも同じじゃんと思われそうですが、両者はまったく違うものです。

しかし、そうしたシステムが社会の隅々にまで行き渡ることで、それは大変強固な、しかし、通常ほとんど意識されないレベルの当たり前のものとなってしまいます。

入試はまさにそうした性質のものですね。

疑いようもなく当たり前のそこにあるもので、まぁ疑っても仕方がないという見方もできますが。

とにかく容易には抗えないものなわけです。

江戸時代の日本にもこうした統治の仕組みが見出せるとのことですが、明治維新以降、急速な近代化を図るための「近代学校」とそこで運用されてきた「入学試験」が、その仕組みを支える重要な装置となってきたんです。

このあたり大変興味深い、というか、現在の教育を考える上でも大変重要な視点です。

興味、関心のある人はこんな本が参考になるでしょう。
ぜひ読んでみて下さい。

    

    

  

※↑石川巧さんの著書の中で「わたしたちは入試で文章を読むようにしか文章が読めなくなっている」というような印象的な指摘をされています。
まさに、今年のセンター試験の問題文に書かれていることですね。

さて、試験のような評価というものは、ある意味必要悪です。

ある人の能力などを別の誰かが把握するというのはなかなかに難しいものです。

だからなるべく客観性・妥当性を確保する方向でテストというものが開発されてきました。

しかし、やっぱりテストというのは限定的なものであることを意識しなければならないでしょう。

「その時」「その場所で」「その条件下」における能力の一端が垣間見れるのがテストだということを。

そろそろわたしたちは、テストあるいは入試というものをよく見直さなければいけないのではないでしょうか。

テストでは明らかにできないその人の魅力とその活かし方、ここにどれだけ力が注げるか、これからの教育はこうした視点が不可欠だと思います。

何でもかんでも「みんないっしょ」って平等なようで、何だか気持ち悪くないですか!?

もうかつての近代化政策のように、平準的なサラリーマン的人材育成は必要ないはずです。

さらに少子高齢化社会ですから、より一人ひとりの人材育成には力が注げるはずです。

さてさて、みなさんはどう思われますか?

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