「一寸法師-神様目線バージョン」

2013-10-31

「一寸法師」-神様目線バージョン

 むかしむかし、ある一つの村の人々を雲の上から神様が見ていました。
 その村のおじいさんとおばあさんを見て、
「あの村に住んでいるおじいさんとおばあさんは、よくはたらいて感心するのぅ。どれ、少し願いをかなえてやろうじゃないか。おう、そこのハチ。村のおじいさんの所へ行って願い事はないか調べてきてくれ。」
と言いました。
 
 数日後、
「お、ハチがもどってきた。どれどれ願い事はなんだったかな?なに!!子どもがほしいだと?よしよし分かった。それじゃあおじいさんたちに親指ぐらいの小さな子どもをさずけよう。」
 神様はそう言って、小さな男の子をおばあさんにさずけました。二人が喜んでいるのを見て神様は、
「よしよし。喜んどる喜んどる。なにしろ二人の息子だ。すごいはたらき者になるにちがいない。あぁこの子が大人になるのが楽しみだ。」
とニコニコ顔で一寸法師の成長を見守りました。

 そんなある日、神様はふと耳に入ったニュースを聞いてびっくりしました。
「なんじゃと、あんなに小さい一寸法師が都で働く!?いくらおじいさんとおばあさんのところで育ったにしても、一人で都にいってまで働きたいとはおどろいたぞ。」
見ると一寸法師はもう旅の用意をしているではありませんか。それをみた神様は、
「一寸法師は本当に都に行くつもりじゃ。あぁ心配で心配でたまらない。ならばしかたがない。わしが大きな魚に化けて一寸法師のじゃまをしよう。そうすれば一寸法師もわしをこわがって家へ帰るだろう。」
そう言った神様は、大きな魚に化けて一寸法師がやって来るのを待ちました。
 何も知らない一寸法師は、川にいる大きな魚を見ておどろきました。神様は、まるで一寸法師を丸飲みするかのように、大きく口をあけ、ジリジリと一寸法師に近づきました。しかし、心の中では、「丸飲みしないから家に帰ってね」と思い続けていました。しかし、そんなこと一寸法師に伝わるわけがありません。一寸法師は、むしろ神様と戦うような感じに針を振り回しています。それを見た神様は、
「ひゃあ。なんだこのピリピリとした空気。もしや一寸法師はわしを針でつきさすつもりなのか。えぇい、しかたない。一寸法師が都に行くのを手伝おう。」
そう決めた神様は、一寸法師から遠ざかり雲の上にもどりました。

 それから数日。
 一寸法師は、お姫様のおともとしてよく働いているし、神様も元気に雲の上で一寸法師を見ていて平和な毎日が続きました。
 しかし、ある日、

 「無い!」

 神様はあせってそうさけびました。
「打ち出の小づちが無い。あぁきっと都のおににぬすまれたんだ。おにはあれをすごくほしがって、自分のものにするチャンスを今か今かと待っていたからな。あぁどうしよう。それに都のおしろでは、神様について学ぶので、打ち出の小づちは伝説の宝としておしろの人はみんな知っているはず。きっとおには打ち出の小づちのニセモノを作っておしろに売るにちがいない。それに今日は姫がお寺参りに行く日だ。おしろに行くおにと出会うにちがいない。そうしたら一寸法師の命があぶない!!・・・かと言って、お寺のお参りをやめさせるにはおそすぎる。あぁどうしよう、どうしよう。」
あせった神様は、まずは落ち着いて一寸法師は無事かたしかめることにしました。
 するとなんということでしょう。ちょうど一寸法師がおにに食べられたではありませんか。神様は、
「あぁ。これを知ったらおじいさんたちはとても悲しむだろう。あぁ残念じゃ。」
と言ってがっくりかたを落としました。
 しかし、
「ん?なんかおにが苦しそうじゃ。もしや一寸法師がおにのおなかの中でなんかやっているんだな。ハハハハざまあみろ、おに。一寸法師をバカにするなんて100年早いのう。ハハハハ。お、おにが一寸法師をはき出した。よかった、よかった。お、一寸法師が二人目のおにをたおした。よかった、よかった。ハハ。おにがにげだしたぞ。ん?なんか落としたぞ。あ、あれは、打ち出の小づちではないか。うん。あれは本物だ。あぁよかった。まだちゃんとあった。」
 みんな無事で、しかも失くし物まで見つけた神様は大喜びです。しかも一寸法師がムクムク大きくなっています。きっと大きくなるようにやったのでしょう。それを見た神様は、
「おぁよかったのう。何もかもハッピーエンドじゃ。よし、打ち出の小づちはあとで取りに行こう。きっと二人ともこれ以上望むものはないだろう。」
 神様はそうしてねむり始めました。
 そして神様が二人が結婚することを知ったときは、大喜びしました。

おしまい

生徒の作品-「昔話の書きかえ」一覧に戻る

TOPページに戻る



                 
Copyright(c) 2012 Learning-Labo by STcommunity All Rights Reserved. Designed by o2BusinessTheme