「型」こそ「個性」!?

2013-05-29

昨日(2013年5月28日火曜日;もうすぐ一昨日になってしまいますがショック!)の読売新聞夕刊一面の記事に注目!

「見聞録」というシリーズもの。

型こそ個性 体で憶える

という見出しの記事です。

能楽のお話。

伝統芸能の伝承では「型」を重んじ、「個性」はあえて抑えることが修行の主たるもの。

師匠の声や所作を手本とし、丁寧に丁寧に「まねる」=「まねぶ」ことが「まなぶ」こと。

※以前も似たような話題で書いています。
 よろしければご覧ください。
 【伝統的文化…ブーム!?】
 http://learning-labo.st-community.jp/?p=783
 http://ameblo.jp/learning-labo/entry-11485291250.html

加賀宝生の能楽師、渡辺茂人さんとその長男真之助君の稽古姿が記事になっていましたが、
この記事で茂人さんの3つの言葉が非常に印象的でした。

ご紹介します。

読売新聞を定期購読されている方はぜひ読み直してみてください。

まず一つ目・・・

「若い頃は何度も好きに演じたいと思った。
 でも、それでは美しくない。
 型があってこその美であり、
 型からにじみ出る個性こそ、本当の個性です」

なるほど。

確かに、最近は教育業界でも、「あなたの考え」「自分の考え」が氾濫し、

さぁ自由に思ったままのことを書いてみよう!

という動きが強くなってきたきらいがあります。

これまでのようにスパルタ式の詰め込みをやめて、「個性」を豊かに・・・

(その反動で今はまたスパルタ的な様相を呈していますが、それについてはまた別の機会に。)

しかし、ある程度の基本的なルール、

それは、ある言語の文法かもしれませんし、

ある学問なりの基本的な枠組みや基礎的な知識などかもしれませんが、

そうした基本のルールなしに、何かを考え、語るというのは、

つまり何でも「自由」に述べるというのは、実は大変難しいものです。

だから、実は基本的なルールにある程度縛られ、手本を模倣することのほうが、

何か自分らしい「個性」的な表現をするためには、かえって近道になることも多い。

いやいや、そもそもある程度の抑制の中にしか「自由」はなく、

ある共通の物事の模倣の結果、同じことを模倣していたはずが、

模倣した人によってそれぞれの味みたいなものがどうしても出てしまう…

そのわずかなズレのようなものが「個性」なのだ。

続いて二つ目・・・

 (最近は稽古を録音する人が多いそうだが、…)
 「録音があると、音で聞き直せばいいやと思い、稽古の集中力を欠く」

確かに。

小中学生の学習では、記憶媒体としては、電子機器での録音よりはノートが主流でしょう。

このノートの特性の一つにやはり「記録」というものがあります。

人間はすぐに忘れてしまうから、忘れても後で思い出せるようにノートに大事なことを記します。

しかし、これが災いして、「後で見ればいいや」ならまだしも、

ノートに書いたことがゴールになってしまって、後からノートを見なおすことさえなくなってしまう、などという悲しい現実もあります。

心当たりのある人、要注意です!

僕も大学生の頃、予備校に通っているときに、

授業を録音していました。

その時は、説明が早く説明を聞きもらすこともあったので、導入しましたが、

それももしかしたら、授業中の集中力を鍛えることを妨げてしまったのかもしれませんね。

いやいや便利なものは諸刃の剣です。

大変長くなってしまいました。

次が最後です。

最後はこれ。

 「理屈は忘れてもいい」
 「まねぶ」で大切なのは、稽古を繰り返し、体で憶えることなのだ。

これまた学習でもまったく同じく大切なことですね。

もちろん学習では最終的に「理屈」をしっかりと身に着けてほしい。

そうでないと、様々な知識は断片のまま散り散りに記憶されているだけになってしまう。

色んな知識は細かく分類すると同時に、共通点を見つけたり、新たなカテゴリーで分類し直したりすることで、より有意味な知恵に変わっていきます。

そのためにはやっぱり「理屈」が分かっていたほうがいい。

ただ、学習の初期段階では、この「理屈」ってのが厄介な場面がたくさんある。

むしろ「体で憶える」ように、繰り返し訓練をして、

何かが「できる」ようになった方が早い場合がたくさんある。

「できる」ようになった後に「理屈」づけして「分かる」ということも十分に有効な学習だと思う。

良くないのはスパルタでガンガン計算やらせて、
何か分けわからないんだけど、その計算はできる、という状態で終わらせてしまうこと。

そうしてしまうと、きっとちょっとしか違いのない問題が出てきても、
別の問題だと思って、平気で「これまだ教えてもらってないからわからない」なんてことになってしまうでしょう。

心当たりのある方要注意ですよ!

でもやっぱり最終的には「体で憶える」ということなんですね。

頭だって「体」ですし、

「体で憶え」た知識はやっぱりそうそう忘れない。

だから、日々のお勉強で、基礎的な知識(漢字や英単語など)を覚える時でも、

ぜひ「体」を使ってみて下さい。

分かりやすいところでは「音読」。

あと僕は個人的に身振り手振りや歩きながら覚えたいことをブツブツブツブツつぶやくという方法も効果的だと思っています。
(※あくまで個人の見解です。科学的実証はされていません。ご参考程度に。)

・・・と、伝統文化、伝統芸能の話は、その「理屈」を紐解けば、

現代の、皆さんが目の前にしているお勉強にも通じる何かがあるわけですね。

そんなことを再発見させてくれた素敵な記事でした。

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